2016年4月~2017年3月 第13回全日本マラソンランキング
皮膚の研究
10 easy ways to fail a Ph.D.
http://matt.might.net/articles/ways-to-fail-a-phd/
まずまず当たっていると思います。
それに、PhDに限らず、人生そのものにも当てはまる気がします。
チャリ通
日本の科学研究—地盤沈下は止められるのか 仲野 徹
http://www.nippon.com/ja/currents/d00324/
この件に関しては、様々な人が声を上げられていますが、仲野先生のご意見はそれらを正しく集約させたものであり、そして仲野先生の叫びがみんなに届いて欲しいと思います。
僕は、それよりももっと深刻なのは、若い人達が、好奇心を抱き、そしてそれを解き明かそうという知的探求心を失っていることではないかと思います。
それは「ゆとり教育」などの教育だけの問題とも言えないと思っています。
何となく今を生きていくことは可能なのが今の日本です。そんな日本で、ハングリー精神や上昇志向も生まれず、まあ、みんなと一緒のことをやっていればそれなりになんとかなるし、それに現実とそんなにガチンコで向き合ってもしゃあないやん、というような厭世的な雰囲気が蔓延していることが一番僕は辛い。
海外との共同の仕事は結構大変
いま、海外の人と合わせて3人でアトピー性皮膚炎のreview articleを書いています。
仕事を3分割して仕事を開始したのですが、残りの二人はfirst authorとlast authorになりたい、と強く主張するので、それはそれでいいやと僕はmidで仕事を進めています。
しかしながら、○○のchapterを増やしたいが、自分は忙しいから、あるいは専門でないので僕に書いてくれ、とかfigureを作るのがヘタだから僕に書いてくれ、などのお願いががんがんやってきて、結構参ります。。。
今回学んだことは、「みんなで書き上げた後で、authorshipの順番を決めましょう」というのがええのではないかと。
まあ、authorshipとかは、どうでもいいのですが、他の仕事にさっさと移りたいのに毎日メールでいろいろなことをお願いされたりするのにげんなりしています。。。こんなんやったら一人で全部書いてしまう方がよほど楽でした。
47歳になりました
医局のみんなにお祝いしてもらいました。
こちらはみんなにたいした事をできてないのに、申し訳ないですね。。。
でも、こうしてみんなによくしてもらえると嬉しいです、本当に。
自分にとっても、そして僕のまわりにいるみんなにとってもいい一年になりますように。
追記
今日は、凄くいい天気ですね。相変わらず早朝から大学で仕事をしています。いろいろとreviewしないといけない論文、自分で書かないといけないpaper、チェックしないといけない後輩の研究費の申請書などがあります。そのあとは、和歌山へ出張。。。
先輩の小川佳宏先生が九州大学の内科の教授に就任され、その記念パーティが博多であるのですが、参加できずとても残念です。
古川福実先生の退官記念大阪地方会
早朝から仕事、そのあとあまりに天気がいいので仕事を途中で切り上げて、大文字山へ走りにいってきました。
1時間ほどですが、凄く気持ち良かった。
橋本公二先生の「重症薬疹ー言いたい放題」が最高でした。
臨床医がどのように自身の将来のテーマを選び、そしてそれをどう発展させていくべきか、とても考えさせられました。
まだ僕も20年近くあるので、もう1-2回、これまでと全く違う展開を繰り広げたいと思っています。
和医大の若い先生方と。
皆様のサプライズ、誕生日祝をしていただき、感無量でした。
懇親会の途中でいきなり照明が暗くなったときはびっくり。
ちなみにうちの家内は忘れているのではないかな、、、まあ、毎年の事ですが。
おいしい鍋をつつきました。和歌山はお魚や野菜がとても新鮮でおいしい。僕の育った九州もそうでした。
古川先生、長い間、和歌山県立医大皮膚科の発展にご尽力されて、本当にお疲れ様でした!
高槻日赤に行かれた後も、益々お元気でご活躍ください。
広島カープも今年も調子よさそうですし、うらやましい。。。
僕の応援する巨人は今年も低迷。。。
週末の過ごし方
「週刊文春」編集長の仕事術 新谷 学著
この本、かなり面白かったです。
飛行機に乗ると、週刊誌をパラパラ読むことが多いのですが、週刊文春が一番勢いを感じます。ただ、時にやり過ぎ感や、品のなさを感じさせることもあります。そしてこの記事がそのまま世論を動かして政界の人物を引退に追い込んだりする事もしばしば。昔フライデーやフォーカスがあって、そういうのは品のない週刊誌と思われがちでしたが、文春とか新潮とかも時に同じやと思っています。
ただ、記者側からの姿勢というものをきちんと知ることがなかったので、この本はそういういい機会を与えてくれました。さらに、日本のジャーナリズムの構造を垣間見ることができたのも収穫かな。
組織を牽引することに対する彼の考えに共感を覚えることが多かったです。
シンガポールへ
毎回シンガポールに行く度に自分がなぜアカデミアにいるのか、という原点を感じる事ができます。教授とかそんなのになりたかったのではなく、純粋にサイエンスが好きだったからです。それがどこかからか、ポリティカルや人事、学会活動、講演の全国行脚(製薬会社の太鼓持ちになってはならない!)などに追われることに。。。
自分を見つめ直してみて、一体何のためにいま自分がここにいるのか、ということをはっきりさせないと、この先の人生が「くず」になってしまいかねない。
限られた残された時間の中で一体何ができるのか。時間は決して無限にはないし、そして、自分のcreativityも確実に落ちていきます。
共同研究者のBruno Reversade先生と。
Brunoはまd42歳と若いですが、発想が自由で、天才肌。
Cellのpaperの共同研究者になりましたが、彼ならではの仕事。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27662089
こういう仕事を死ぬまでに絶対一度やってみたい。
Brunoと、新しくうちのラボにさんかすることになった佐藤先生。
いい仕事を是非やって欲しい!
最終日はFlorent Ginhoux Labのメンバーの一部と一緒にお食事。Chilli Crabはシンガポールの食の殿堂。
さあ、明日からまた気合を入れ直して京都で頑張ろう。
(とはいえ、明後日からは仙台で日本皮膚科学会総会)
Florentラボとの合同ラボミーティング
皮膚科研究の目指 すべき道とは』 座長:天谷雅行 椛島健治
免疫ペディア
ついに発刊です。
アレルギーの部分を担当させていただきました。
この本、かなりの力作です。
しかも、羊土社で動画も作られてます。。。
表紙のイラストは、河本宏先生!
序章
1 免疫のしくみのおさらい【河本 宏】
2 血清学の時代【河本 宏】
3 免疫学の時代【河本 宏】
4 免疫医療革命【熊ノ郷淳】
1章 免疫細胞の種類と分化
概要図説 血球細胞の分化【田中稔之】
Keyword1 リンパ組織【田中稔之】
Keyword2 顆粒球【田中稔之】
Keyword3 肥満細胞【田中稔之】
Keyword4 マクロファージと単球【田中稔之】
Keyword5 樹状細胞【田中稔之】
Keyword6 B細胞の機能と分化成熟【田中稔之】
Keyword7 T細胞の機能と分化成熟【田中稔之】
Keyword8 ヘルパーT細胞【田中稔之】
Keyword9 制御性T細胞【大野喜也,田中稔之】
Keyword10 制御性B細胞【大野喜也,田中稔之】
Keyword11 細胞傷害性T細胞【田中稔之】
Keyword12 NKT細胞【大野喜也,田中稔之】
Keyword13 自然リンパ球【大野喜也,田中稔之】
2章 自然免疫
概要図説 自然免疫のしくみ【河合太郎】
Keyword1 抗菌ペプチド【佐竹茉以,織 大祐,河合太郎】
Keyword2 補体【出口智哉,織 大祐,河合太郎】
Keyword3 レクチン【宮口滉平,織 大祐,河合太郎】
Keyword4 TLRとTLRシグナル【長山瑞佳,織 大祐,河合太郎】
Keyword5 自然免疫と獲得免疫【野吹祐斗,織 大祐,河合太郎】
Keyword6 炎症【佐竹茉以,織 大祐,河合太郎】
Keyword7 RIG-Ⅰ-like receptor【出口智哉,織 大祐,河合太郎】
Keyword8 インフラマソーム【野吹祐斗,織 大祐,河合太郎】
Keyword9 細胞内DNA認識【末吉拓也,織 大祐,河合太郎】
Keyword10 炎症性サイトカイン【長山瑞佳,織 大祐,河合太郎】
Keyword11 インターフェロン【村瀬本弥,織 大祐,河合太郎】
Keyword12 病原体による自然免疫の回避【末吉拓也,織 大祐,河合太郎】
Keyword13 内因性自然免疫【村瀬本弥,織 大祐,河合太郎】
Keyword14 自然免疫の進化【宮口滉平,織 大祐,河合太郎】
3章 粘膜免疫と腸内細菌叢
概要図説 粘膜免疫のしくみ【竹田 潔】
Keyword1 粘膜免疫【竹田 潔】
Keyword2 物理的バリア【奥村 龍】
Keyword3 化学的バリア【奥村 龍】
Keyword4 腸管のリンパ節【香山尚子】
Keyword5 分泌型IgA【香山尚子】
Keyword6 粘膜における免疫細胞【香山尚子】
Keyword7 腸内細菌叢【梅本英司】
Keyword8 腸内細菌の臨床応用【梅本英司】
4章 獲得免疫
概要図説 獲得免疫のしくみ【原 博満】
Keyword1 抗体の構造と種類【田中伸弥】
Keyword2 抗体の多様性【馬場義裕】
Keyword3 抗体のクラススイッチ【馬場義裕】
Keyword4 B細胞抗原受容体【馬場義裕】
Keyword5 抗原-抗体反応と免疫複合体【馬場義裕】
Keyword6 T細胞受容体【原 博満】
Keyword7 抗原認識とプロセシング【飯笹英一,原 博満】
Keyword8 T細胞の選択【原 博満】
Keyword9 B細胞の自己免疫寛容【田中伸弥】
Keyword10 免疫記憶【伊勢 渉】
Keyword11 MHC【原 博満】
Keyword12 サイトカインネットワーク【原 博満】
Keyword13 親和性成熟【伊勢 渉】
Keyword14 胚中心【伊勢 渉】
Keyword15 体液性免疫【田中伸弥】
Keyword16 細胞性免疫【豊永憲司,原 博満】
5章 アレルギー
概要図説 アレルギーの種類とそのしくみ【椛島健治】
Keyword1 アレルギーの種類(Ⅰ〜Ⅴ型)【江川形平】
Keyword2 アナフィラキシー【中島沙恵子】
Keyword3 経口免疫寛容【鬼頭昭彦】
Keyword4 抗アレルギー薬【若原恵子,長谷川好規】
Keyword5 ステロイド薬【川部 勤】
Keyword6 花粉症【川部 勤】
Keyword7 気管支喘息【長谷川好規】
Keyword8 アトピー性皮膚炎【大塚篤司】
Keyword9 食物アレルギー【中嶋千紗】
Keyword10 自己免疫性溶血性貧血【野村尚史】
Keyword11 糸球体腎炎【松原 雄】
Keyword12 接触性皮膚炎【本田哲也】
Keyword13 衛生仮説【若原恵子,長谷川好規】
6章 自己免疫疾患
概要図説 自己免疫疾患のしくみ【藤本康介,熊ノ郷淳】
Keyword1 免疫寛容【森田貴義】
Keyword2 自己抗原【依藤秀樹】
Keyword3 全身性エリテマトーデス【加藤保宏】
Keyword4 関節リウマチ【藤本 潤】
Keyword5 多発性筋炎/皮膚筋炎【辻本考平】
Keyword6 重症筋無力症【辻本考平】
Keyword7 グッドパスチャー症候群【葉山善友】
Keyword8 炎症性腸疾患【藤本康介】
Keyword9 バセドウ病【小中八郎】
Keyword10 橋本病【小中八郎】
Keyword11 自己免疫モデルマウス【川﨑貴裕】
Keyword12 疾患感受性遺伝子【中西由光】
7章 免疫不全
概要図説 免疫不全症の発症のしくみ【今井耕輔】
Keyword1 重症複合免疫不全症【今井耕輔】
Keyword2 後天性免疫不全症候群【今井耕輔】
Keyword3 B細胞欠損症(無γグロブリン血症)【今井耕輔】
Keyword4 高IgM症候群【今井耕輔】
Keyword5 補体欠損症【今井耕輔】
Keyword6 食細胞異常症【今井耕輔】
Keyword7 自己炎症性疾患【今井耕輔】
8章 がん免疫
概要図説 免疫システムとがん【玉田耕治】
Keyword1 腫瘍抗原【梅津大輔,佐古田幸美】
Keyword2 がんワクチン【永井智彦,玉田耕治】
Keyword3 樹状細胞療法【中島正夫,松井洋人】
Keyword4 免疫チェックポイント阻害剤【安達圭志,玉田耕治】
Keyword5 制御性T細胞【徳永良洋,佐古田幸美】
Keyword6 腫瘍浸潤リンパ球【奥山奈美子,佐古田幸美】
Keyword7 CAR-T療法【佐古田幸美,玉田耕治】
9章 移植免疫
概要図説 移植免疫のしくみ【斎藤俊輔】
Keyword1 MHC(HLA)【斎藤俊輔】
Keyword2 直接認識と間接認識【斎藤俊輔】
Keyword3 移植片拒絶【斎藤俊輔】
Keyword4 移植片対宿主病【斎藤俊輔】
Keyword5 免疫抑制剤と作用機序【斎藤俊輔】
10章 ワクチン
概要図説 ワクチンによる感染防御のしくみ【小張真吾,石井 健】
Keyword1 ワクチンの種類【小張真吾,石井 健】
Keyword2 予防接種【小張真吾,石井 健】
Keyword3 アジュバント【小張真吾,石井 健】
Keyword4 次世代ワクチン(粘膜ワクチン,DNAワクチン,がんワクチン)【小張真吾,石井 健】
日本皮膚科学会総会
仙台にて、東北大学相場会頭のもと、無事に終了しました。
僕はいろいろと仕事がありまして、さらに、早朝に山走りに行ったりしたために、3泊4日の学会でしたが睡眠時間の合計が9時間となってしまいました。
さすがに若くないので最後はふらふらになりました。
ちなみに今朝のスケジュール
4時おきで山走りへ
8時から日本皮膚科学会総会のプログラム検討委員会
そのあと、自身の発表(IL-31RA中和抗体の話)
座長を3時間(皮膚科研究の目指すべき道とは)
もう一つ別の座長を1時間(皮膚の可視化について)
そのあと、市民公開講座でアトピー性皮膚炎の治療についての講演。
ということで、無事に終わり京都まで陸路で。
山の上からの景色は最高。となりの山には残雪あり。
走ってるからいいけど、とまるとかなり寒かった。。。
充実仙台!
初日は会議が中心。
ワインも!(これはイメージ画像)
2日目:
これまで幾度とお世話になったRuzicka先生の土肥memorial lecture
IL-31RAの中和抗体のNEJMのpaperはThomasとの共同作業です。
大森靖子さんです。
このライブはThomasと一緒に。彼はこのライブのためにスイスからわざわざ来ました。
一方、日本医大の佐伯先生と一緒に企画したアトピー性皮膚炎の教育講演は超満員で立ち見。
日本皮膚科学会の島田理事長(おやぶん)と、頑張っている若手女医さん、そのお母様と一緒に。
戸倉先生バージョン。
恥ずかしいのですが、ボスの司令であれば何でもやります。
皮膚科の巨人、Steve Katz先生と。心からのあこがれの先生です。
そのあとさらに、京大の皮膚科医局のメンバーに合流。
若手が明るく前向きに頑張っているので、絶賛応援します!
寝てるKくん。わしの方が寝不足なんやから、もう少しがんばりなさい!
天谷先生と一緒に特別企画をさせて頂きました。
永尾さん、本当にいい仕事をしていてかっこいい。
こ
の世界、いい仕事していることが、やっぱ、かっこええです。
本田さんは、世界を牽引する仕事をがんがん続けられてます。しかも、今日は聴衆が皮膚科医であることなど関係無く、いきなりトップギアでサイエンスの話。こういう姿勢、真似できない。
お互いがんがん走るので気持ちいいです。
銭湯
銭湯に入ってきました。かなり気分転換になりました。冷たい水と熱いお湯があれば僕はかなり満足できます。お手軽ですね。
病院が東京から破綻していく理由
AERAの記事からです。
https://dot.asahi.com/aera/2017060600051.html
全てを真に受ける必要は無いですが。。。
Ruzicka先生のセミナー
昨日は、ミュンヘン大学皮膚科教授のThomas Ruzikca先生にセミナーをしていただきました。
Autoinflammatory diseaseの臨床的な話の後に、ミュンヘン大学をはじめとするドイツの皮膚科の特徴、そしてその後は、若手へのメッセージを送っていただきました。
Ruzicka先生はチェコ生まれですが、12-13歳のころに共産主義のチェコから命からがらドイツへ家族と共に亡命されています。当時は非常に封建的だったと思われるドイツのしかも世界でももっとも権威のある大学の一つであるミュンヘン大学で主任教授になられるだけの子とはあります(極端な話北朝鮮から日本に脱北してきてそのまま東大や京大の教授になる、というような例えでもいいのかもしれません)。
それ故か、臨床や研究の能力が高いのはもちろんですが、それ以上に人間関係をとても大切にされます。政治的な人間関係ではなく友人としての人間関係です。こういうボスが身近にいると若手は仕事がしやすいでしょうね。
Thomasは、「仕事ももちろんhardにするべきだけど、趣味も大切にね!」というアドバイスもされてました。これは、仕事だけでなく、人間力が大切だということと僕は理解しています。
その後は、Ruzicka先生ご夫妻の宿泊される旅館へお供。